所変わって再び名も無い砂山

「待ちたまえっ!フィル・フリッツ君!!」

全員の視線が二人の男に集中する

「我々が来たからには好き勝手はさせないっさぁ私達が相手だかかって来なさい」

それを見たサイバーピンクが目をキラキラさせて叫んだ

「キャー♪タキシードもといナイト仮面様〜☆」

「僕達が来たからにはもう安心ですフロイライン。大船に乗ったつもりで・・・」

セリフの途中で声が途切れた、と思ったら既にアマデウス仮面が倒された。ナイト仮面はかろうじてかわしている。

「くっ、セリフの間に攻め込んでくるとは、タブーを知らないのか?フィル君、ちょっとそこに座りたまえ。いいか?戦隊モノというものはまず、悪役が悪さをする。そうしてヒーローが出動する、そして変身するんだ。変身した後にはモチロン決めポーズと決めゼリフがあるわけだ。分かるな?当然悪役はその過程をだまって見ていなくてはならない。」

フィルは黙って聞いている

「そうしてだなぁ悪役は一時優勢に立つ。その後大き目の必殺技などで逆転されるのだ。分かるね、フィル君。」

「分かった。お前の出番はこれで終わりだ。ちゃんと最後まで聞いてやったんだ文句無いだろ」

 フィルの拳が光ると同時にナイト仮面が倒れた

「そうだ、それで良いんだ・・・がくっ」

「ナイト仮面様?いやぁぁぁぁぁぁ」

 ピンクの悲鳴がそこらじゅうに響き渡る

「くっフィル、ちょっとやりすぎじゃねえか?」

レッドが震えた声で叫びながら立ち上がる・・・

「お前ぇはもう忘れちまったかも知れねぇがなぁ、あの頃のフィルはそんな事しなかったぜ!」

 ブルーが驚いたように聞いた

「レッド?あいつを知ってるの?」

「ああ、ちょいと昔な。連絡が取れねぇと思ったらこんなことになってたとはなぁ。アイツは俺がやる。それがアイツにしてやれるせめてもの情けだ。手を出すなよブルー、お前は今日子さんを頼む」

「分かりました」

二人は互いに背中を合わせあいお互いの相手に向かって動き始めた